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ALSの病態の謎.なぜ体の動きだけ奪われるのか? -No.579
ALSの病態の謎. なぜ体の動きだけ奪われるのか? 概要 ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、神経細胞が徐々に失われることで、全身の筋肉が衰える難病です[図1]。患者数が多いため、精力的に研究が行われてきましたが、発病に至る原因が特定されておらず、有効な治療法も存在しません。 この病気で不思議なのは、意識や五感に関わる神経細胞は保たれたまま、体を動かす神経細胞「運動ニューロン」だけが失われることです。さらに、運動ニューロンのなかでも“大きいもの”(力強い動きを生む)が失われやすく“小さいもの”(繊細な動きを生む)は影響を受けにくいことが知られています。このような「神経細胞の失われやすさの差」が生まれる仕組みは、ALSに特徴的な謎であり、解明されれば病因の特定につながるかもしれません。 今回、国立遺伝学研究所の浅川和秀准教授らの研究グループは、ゼブラフィッシュ(生きたまま神経細胞を観察できる)を使った研究で、大型の運動ニューロンでのみ、オートファジーなどの、不要なたんぱく質を分解する活性が極めて高いことを発見しました。 不要分子の分解は、どの細胞に
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11月8日読了時間: 5分


アルツハイマー病とパーキンソン病に共通する脳の仕組み ~脳内の信号伝達を妨げる共通のシナプス機構が明らかに~ -No.583
アルツハイマー病とパーキンソン病に共通する脳の仕組みを発見 脳内の信号伝達を妨げる共通のシナプス機構が明らかになり、 神経変性症状の共通原因が特定されました 。 アルツハイマー病とパーキンソン病は、世界中で数百万人が罹患している代表的な神経変性疾患です。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、両疾患に共通する分子カスケード(分子の連鎖反応)がシナプス機能障害を引き起こすことを明らかにし、症状が生じる仕組みの理解を一歩前進させました。 研究チームは、疾患に関連するタンパク質の蓄積によって、シナプスを介した脳細胞のコミュニケーションがどのように妨げられるかを探索しました。その結果、脳内の正常な信号伝達に不可欠なシナプス小胞の再利用を妨害する経路を発見しました。 本論文の筆頭著者であるディミタル・ディミトロフ博士は次のように述べています。「シナプスは、さまざまな機能を制御する神経回路に関与する、脳内のコミュニケーションのハブです。したがって、記憶に関わる神経回路のシナプスにタンパク質が蓄積すると記憶が障害され、運動制御に関わる神経回路に蓄
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11月8日読了時間: 3分


「血液の流れが幹細胞を制御する」-No.486
血液の流れが幹細胞を制御する ―流体力学的刺激が造血幹細胞を休眠・保護することを解明― 本研究のポイント 1.一酸化窒素 ※1 (NO)高発現造血幹細胞 ※2 (NOhiHSC)は、定常状態では休眠状態を維持し、免疫細胞からの攻撃を回避し、移植時には長期にわたる強固な再生能...
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1月11日読了時間: 10分


「腸内細菌叢とそこから産生される短鎖脂肪酸の慢性閉塞性肺疾患(COPD) への関与を解明」-No.483
腸内細菌叢とそこから産生される短鎖脂肪酸の 慢性閉塞性肺疾患(COPD) への関与の解明に成功 -食物繊維に着目した新規治療戦略開発への期待- 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)は、世界の死因の第 3 位を占める重要な呼吸器疾患です。...
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2024年12月27日読了時間: 7分


「精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化させるメカニズム」-No.480
精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化させるメカニズムを解明 ― ストレスは免疫細胞を狂わせる! ― 順天堂大学大学院医学研究科 環境医学研究所の吉川宗一郎 准教授、冨永光俊 先任准教授、髙森建二 特任教授、順天堂大学医学研究科 免疫学の三宅幸子 教授ら、および岡山大学大...
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2024年12月27日読了時間: 7分


「腸内菌は脳で新しく生まれる神経細胞を正常に発達させるキープレイヤー」-No.477
腸内菌が脳に果たす新たな役割を発見 ―腸内菌は脳で新しく生まれる神経細胞を正常に発達させるキープレイヤー― 研究発表のポイント 1.腸内菌叢の存在が大人の脳で新しく作られた神経細胞の正常な発達に必要であることを発 見....
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2024年12月21日読了時間: 9分


「臓器を個別に制御する自律神経の仕組み」-No.476
臓器を個別に制御する自律神経の仕組みを解明 -交感神経の理解をメジャーアップデートへ- 理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 比較コネクトミクス研究チームの播磨 有希子 基礎科学特別研究員(研究当時)、宮道 和成 チームリーダーらの共同研究グループは、マウスを用い...
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2024年12月14日読了時間: 15分


「ニンニクやタマネギなどに含まれる成分が、調理過程で トランス脂肪酸の生成を促進する」-No.475
ニンニクやタマネギなどに含まれる成分が、 調理過程でトランス脂肪酸の生成を促進する事実と その抑制方法を発見! 株式会社ニッスイの 小尾 純志 研究員と名城大学大学院総合学術研究科の 本田 真己 准教授らのグループは、ニンニクやタマネギ、ブロッコリースプラウトなどに含まれ...
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2024年12月7日読了時間: 7分


「体内の飽和脂肪酸を減らし不飽和脂肪酸を増やす因子」-No.474
体内の飽和脂肪酸を減らし不飽和脂肪酸を増やす因子を発見 研究成果のポイント 1.がん抑制遺伝子であるARMC5が、脂肪組織において飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸 を増やすことを明らかに。 2.飽和脂肪酸は健康に悪く、不飽和脂肪酸は健康に良いことが知られているが、脂肪組織...
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2024年12月7日読了時間: 3分


「アルツハイマー病の新たな治療標的」-No.473
アルツハイマー病の新たな治療標的を発見 ~脳内のカンナビノイド受容体2型への刺激が認知機能障害を改善~ 本研究のポイント 1.カンナビノイド 注1) 受容体2型(CB2)はアルツハイマー病(AD)死後脳およびADモデルマウ スのミクログリア 注2)...
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2024年12月7日読了時間: 7分


「脳のゴミを除去する新たな仕組み」-No.471
脳のゴミを除去する新たな仕組みを発見! ―アルツハイマー病の発症機構の解明に期待― 金沢大学医薬保健学総合研究科医学専攻の亀谷匠郁、医薬保健研究域医学系/医薬保健研究域附属サピエンス進化医学研究センターの河﨑洋志教授、新学術創成研究科ナノ生命科学専攻の酒井伍希(研究当時)...
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2024年12月7日読了時間: 5分


「ストレス時に呼吸運動の変化を引き起こす神経回路」-No.458
ストレス時に呼吸運動の変化を引き起こす神経回路を解明 精神性ストレス応答の中核として知られる脳の外側手綱核は、ドーパミンなどの神経伝達物質を介してストレス時の行動変化や自律神経応答に関わっています。この領域がドーパミンを放出する神経細胞(ニューロン)を介して精神性ストレス...
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2024年11月23日読了時間: 6分


「社会的交流を避け孤立するように行動変容させる神経回路」-No.453
社会的交流を避け孤立するように行動変容させる神経回路の発見 社会的ストレスがかかると社会的交流を避け社会的に孤立することがあります。社会的孤立はうつ病、認知症、心血管疾患のリスクを上昇させ死亡率を上昇させることが疫学的に示されています。このため、2023 年からWHO...
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2024年11月23日読了時間: 1分


「記憶の運命はグリア細胞が握る」-No.447
記憶の運命はグリア細胞が握る マウスのグリア細胞光操作で判明 発表のポイント 1.怖い体験の記憶が残るか残らないかの運命は、その体験の 刹那せつなのグリア細胞 (注1) に ゆだねられていることを明らかにしました。 2.マウスの脳のグリア細胞の一種、アストロサイト...
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2024年11月16日読了時間: 21分


「歯周病が脳のグリア細胞の過剰な活性化を介して認知機能を低下させる(肥満マウスにて研究)」-No.450
歯周病が肥満マウスにおいて脳のグリア細胞の過剰な活性化を介して 認知機能を低下させることを発見! 研究成果のポイント 1.高脂肪食の長期摂取により誘発した中年期の肥満マウスに歯周病を惹起させると、認知機 能障害が生じた。 2.この認知機能障害には、脳内のミクログリア...
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2024年11月16日読了時間: 6分


「遺伝子発現を抑制する染色体構造が親細胞から娘細胞へと安定に受け継がれるメカニズム」-No.449
遺伝子発現を抑制する染色体構造が 親細胞から娘細胞へと安定に受け継がれるメカニズムを解明 関西学院大学生命環境学部 田中克典教授らは、島根大学医学部生命科学講座 川上慶助教(研究当時︓関西学院大学生命環境学部 助教)と共同で、遺伝子発現を抑制する染色体構造が、親細胞から娘...
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2024年11月16日読了時間: 8分


「GFAP遺伝子の変異が認知症の発症に関わる大脳白質病変に影響」-No.448
GFAP遺伝子の変異が認知症の発症関わる大脳白質病変に影響 ~脳画像所見における遺伝的要素の新知見~ ポイント MRI で見られる大脳白質病変は脳卒中や認知症の発症に関わる重要な所見ですが、 アジア人における遺伝的要因は明らかになっていませんでした。...
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2024年11月16日読了時間: 6分


「半月板の自然修復メカニズム」-No.446
老化細胞がもたらす半月板再生の新展開 半月板の自然修復メカニズム解明で新たな治療戦略の可能性 要点 1.げっ歯類では半月板を切除しても自然に修復されますが、そのメカニズムは不明でした。 2.ラット半月板の自然修復過程で、一時的に蓄積する老化細胞が、半月板再生を促進するこ...
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2024年11月16日読了時間: 7分


「ハキム病(特発性正常圧水頭症)の診断、新基準構築」-No.445
ハキム病(特発性正常圧水頭症)の診断に有用なDESHを 脳MRIからAIで自動領域抽出して判定する新基準を構築 歩行障害、物忘れ、尿失禁の3徴候で知られるハキム病 (特発性正常圧水頭症:iNPH) ※1 は進行性の病気であり、早期発見のためには頭部CT、MRI検査で、くも...
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2024年11月9日読了時間: 6分


「大豆リゾレシチンで塩分の取りすぎによる高血圧と認知症を予防できる」-No.442
大豆リゾレシチンで塩分の取りすぎによる高血圧と認知症を予防できることを発見 藤田医科大学医療科学部レギュラトリーサイエンス分野 毛利彰宏教授、大学院生 窪田悠力さん(現 精神・神経病態解明センター助教)、國澤和生准教授、鍋島俊隆客員教授、齋藤邦明学部長および、辻製油株式会...
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2024年11月2日読了時間: 3分
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