悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション ②
- 未在代表 松舘 敏
- 2023年1月8日
- 読了時間: 2分
前回投稿した「悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション」の未掲載部分をご紹介します.
「11-末期がん・緩和ケアのリハビリテーション」におけるリハビリテーションの事例(内容)を以下にご紹介します.
緩和ケアにおけるリハビリテーションの内容
当事者(患者さん,ご家族),リハビリテーション関連職種への指導
介入回数:1回~数回で終了.
① 姿勢・肢位(ポジショニング)指導.
② 杖や補助具の選定.
③ 腹式呼吸,排痰法,体位ドレナージの方法.
④ 摂食嚥下指導(食事形態調整,姿勢や一口量の調整など代償手段主体).
⑤ 浮腫への対応(リンパドレナージ,圧迫,スキンケア,生活指導).
⑥ 経皮的電気刺激(TENS),温熱の方法指導.
⑦ 病棟での介護指導(寝返り,起こし方,移乗方法など).
⑧ 病棟の環境調整(手すり,座面の位置,自助具など).
⑨ 自宅復帰にあたっての環境調整,介護指導.
⑩ 介護サービス事業者へ介護指導(移乗,体動介助指導など).
病院(リハビリ室,ベッドサイド),在宅での訓練.
介入回数:継続的な介入.
① 廃用(筋力低下や関節拘縮)進行例のリコンディショニング(関節可動域訓練,筋力増強訓練,歩行訓練など).
② 四肢の麻痺(片麻痺,対麻痺)の基本動作訓練,日常生活活動(ADL)訓練,歩行訓練.
③ 浮腫への対応(リンパドレナージ,圧迫,スキンケア,生活指導).
④ せん妄,認知症への介入もしくは予防への介入.
⑤ 心理支援目的にアクティビティーなど.
生存率が向上し,がん患者さんのQOLが求められるようになりました.このことを背景に,リハビリテーションの重要性は,高まっています.
より高い効果を得るためには,患者さん自身がリハビリテーションの必要性をよく理解し,がんと診断された直後から主治医と相談しながら,リハビリテーション専門職・関連職種のサポートを積極的に受けていくことが大切と考えます.
最後にまとめとして,「がんのリハビリ5カ条」をご覧ください.
「がんのリハビリ5か条」
1.がんの進行や治療により身体的・心理的なダメージを受けても,「がんになったのだから仕方ない」と諦めないようにしましょう.
2.患者さん自身がリハビリの必要性と利点をよく理解しましょう.
3.がんと診断された直後から,リハビリテーション専門職・関連職種のサポートを積極的に受けていきましょう.
4.開胸・開腹手術前には,呼吸リハビリテーションを受け,合併症を防ぐ努力を行いましょう.
5.化学療法や放射線治療による副作用,術後の後遺症,ターミナル期の疼痛緩和やQOLの改善にもリハビリテーションは有効です.






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