小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~ ⑸ -最終章-
- 未在代表 松舘 敏
- 13 分前
- 読了時間: 23分
「小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~ ⑴~⑸」は今回が最終章となります。
非常に大枠なところで、書かせていただきました。「小児」とは云え、大人と変わらない、いいえ大人よりも量的・質的に膨大な医学知識が必要な世界であり、国際セミナーで習う量はほんの一握りでしかありません。一握りの量でさえ、膨大な知識と情報にありまして、これを全5章のブログでお話することは困難にあります。
「小児オステオパシー」という、小児に対するオステオパシー医学というものを、なんとなくで構いませんので認識いただければ幸いに存じます。
そして、今回お話させていただく内容は、やはり難しく、解りやすく簡単にお伝えする技量を私は持ち合わせていません。よって、ある程度の知識を持った方であれば解釈・理解できる表現でお話していきます。何卒、ご容赦の程お願いします。
【事前予告】
上記でもお伝えしたように今回が最終章となります。しかし、お伝えしたいことは山のように有り、これからも適時、詳細部分にフォーカスした事項を御紹介していくつもりです。
小児とは云え、オステオパシーの世界の一部であり、テクニック(治療技術)も一部使えないテクニックはありますが、基本的に大人と同じテクニックで施術しますし、疾病や疾患、障害の診方や臨床思考(症候学)も共通するところが多いからです。
例)
出生時の外傷に関連する問題「トラウマ」によって、頭蓋骨や膜に問題があると、産まれて直ぐに出てくる/長期的に出てくる症状(問題)。
【即時に何が起こるか】-直ぐに起こり得る問題-
1)「髄頸腫」または「還流」.
2)「乳幼児疝痛」
3)「胃・食堂の逆流」
4)「ダッチ音問題」「摂食のミルクを呑めるか」
5)「脳性麻痺」
6)「脳に由来する問題」
※ 頭蓋底の治療をしなくて放置してくると、長期的に似たような問題が起きてくる可能性があります。
【長期的に出てくる問題】-治療した方がいい問題-
1)学習障害
2)ニューロ・ダイバージェンス
3)慢性上気道感染
4)慢性の耳の感染症
5)慢性の鼻の出血
6)再発性の尿路感染症
7)おねしょ
8)消化器障害
9)アレルギー
10)湿疹
11)喘息
12)気管支炎
今回のテーマは「ADHD」「自閉症」です。
「ADHD」や「自閉症」は、小児から成人まで発症しうる、神経発達の問題です。更には、「知的障害」にも係わっていく問題です。
では、本題についてお話していきます。
オステオパシーの代表的なテクニックの1つに、「クラニアル・セイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)」や「頭蓋オステオパシー」があり、頭蓋骨や頭蓋硬膜などの組織の治療が行われてきました。近年は、「静脈洞」と云われる頭蓋の中の静脈が流れる道や頭蓋骨を連結する「頭蓋縫合」など、更には「視床」:感覚情報 等のターミナル機能などが注目され、また視床以外の「(脳)神経核」への施術治療が開発され、驚くような治療効果が発表されています。例えば、鋭い眼が丸くなったように観えたりの変化や「視力」がよく見えるようになったり。「聴力」:耳もよく聞こえるようになったり。「脳の血流」が良くなると、「すごく平和な感じがする」と感じられる方もいます。それは、患者さんにとっては良い事ですし、気持ちが明るくなり前向きに行動出来るようになります。
「オステオパシー」は、人間は「身体(Body)・精神(Mind)・魂(Spirit)の三位一体の存在」であると考え、「人間全体を一つの単位(ユニット)としてみます」。
まさに、オステオパシーが教える、「三位一体」の現れかも知れません。
そして、「人の構造物」と「心や精神の病」との連関かも知れません。
アメリカだけではなく世界中で、「ADHD」とか「自閉症」の定義が、少しずつ変わってきているそうです。この結果、より多くの人がADHDであったり、自閉症の定義に当てはまるようになってきているそうです。
ですから勉強していただいて、ADHD、自閉症って、一体何なのか理解していれば、お医者さんまたは医療従事者がADHDだ、自閉症だって気付く前に、気付くことが出来るかも知れませんし、オステオパシー治療院に通院し対応して貰えるかも知れません。
最初は「ADHD」からお話します。ADHDというのは、「注意欠陥多動性障害」の英語の頭文字をとったものです。
定義の一つ目は、「ADHDというのは神経発達障害」である。
ADHDというのは、非常に遺伝性の疾患です。身長が親から子へと遺伝するレベルと同じ位の遺伝性の疾患です。だから両親が背が高かったら子供も背が高くなるだろうな、低かったら低くなるだろうな、と云いますよね。それがADHDでも同じことが云えます。ですから、少なくともご両親のどちらかがADHDである可能性は非常に高いんです。
カテゴリーが2つあり、1つが「不注意が優位な方」タイプ、もう一つが「多動が優位な方」のタイプに分かれています。「不注意型」は、「上着をどこかに忘れてきた」とか、「外に遊びに行って靴を忘れてきた」とか、あと不注意を表す症状としては、「アイコンタクトが合わないな」って感じや、親が子供に対して気付くきっかけとなるのが「忘れ物が多い」、「いろんなことを忘れてしまう」ことです。
ADHDっていうと、多動の方が直ぐに気付くんですけれども、この不注意型の方はあまり気付かれずに、診断されずに長い事、放置されることが多いんです。
それとは違って不注意型では無い方が「多動衝動型」で、それが私達がよく知っているタイプではないかと思いますが、「じっと座っていられない」とか、「直ぐ邪魔をしてくる」とか、「直ぐ興奮してしまう」とか、「ずっと思っていることを内に秘めて置けない」ので、「凄いエネルギーで時々、社会的には不適切な行動をしてしまう」タイプです。
講師の先生は、こういったものを考える時、どちらのADHDだって、存在しているっていうことは意味があるんじゃないかと考えるそうです。医学的に生物にとって、こういうADHDがあることは、どんなアドバンテージがあるのかっていうふうに考えるそうです。
ADHDだけはなく、自閉症の子供も、成人もそうなんですが今は障害、病気っていうふうに考えられていますけれども、例えば、「1時間じっと座って授業を聞けない」そういうことが出来ないと現代の社会では問題になりますが、500年前、たった500年前を考えるだけでも、人間のダイナミクスというのは今とは全然違ってたんです。
自閉症に関して面白い研究があり、2つの遺伝子が見つかって、その中の遺伝子が1つは「ハンター型」、狩猟する、狩りをするタイプと、「探検する」「探求する」、いろんなものを探していくタイプ。
「ハンター型」も「探求者、探検する型」も、ADHDに関係しているということが解りました。
直ぐ注意が、気が削がれてしまう、他のものに気持ちが行ってしまうような子は、ハンター型なんですね。でもそういう子っていうのは、「視力が良かったりする」んです。
500年前狩猟の時代を考えてみて下さい。末梢視力もいいって、あっ鳥が飛んできた、とかそういうのが判ると、とても生存には役立ちますよね。ということで、そういう子供は、森の中に居たら問題が無いと考えられますけれども、人間が集団で生活をしていて、子育てをする人たち役割の人もいる、介助する役割の人もいるというような社会だったら、そういう人がいることが社会にとってはとてもアドバンテージになる。
もう一つが、「探求者タイプ」なんですが、それはリスクの体制、大きなリスクでも引き受けますよっていうタイプの遺伝子なんです。そういう子供は、高いところから飛び降りたりするので、お母さんは冷や冷やしちゃいますよね。この遺伝子は、アメリカ人の遺伝子から見つかったんです。それでなんでかなと考えたのですが、アメリカ人って元々ヨーロッパに住んでいた人達がアメリカに渡って行って国を作った訳です。だから、リスク、高いリスクをとって未知の世界に行って生活をしようという人達なので、だからアメリカ人にはADHDが多いのかなって。
アメリカはADHDが多いといいましたが、世界全体で見ると、成人・小児含めてADHDの割合25%くらいなんです。アメリカは5%で、日本は1.5%です。
昔は元々、両手を使って何かを作ったりして生活をしていて、ずっと一日教室の中に居て座って話を聞くなんて生活はなかった訳です。ですので、もともと遺伝子の中に存在していたものが、現代の社会、社会が変わることによって現れてきたのかも知れません。
だからその症状が問題だというよりも、症状がある患者さんが置かれたその環境っていうのが問題でもある。教科書的には若い男性の多動型が多いと言われています。若い女の子、少女の場合は症状が内向きに出て来るんです。「自尊心が低い」とか、「自分を恥ずかしい」と思っている、というような症状で出てきますので、一見、「物(ぶつ)に観えたり」、また「不安を抱えたように観える」んですが、それが実はADHDだったりします。
これは少女だけではなくて、成人の女性もそうです。
女性の場合は、このADHDの症状っていうのは、月経が始まると「エストロゲン」の増減に合わせて症状も出てきます。どんなアドバンテージがあるか考えると、「エストロゲン」が増えていくと症状が消えて行きます。排卵が終わって、エストロゲンが下がっていくと、衝動的になるんです。それは、いいことがあるんじゃないか、まぁ、子孫を残すために衝動的に生き釣りの恋をするかも知れないけれども、子孫を残すっていうのには衝動的な行動をするっていうのもいい事なんじゃないか。(注:あくまでも例え話です。)
女性みんな、エストロゲンのタイプによって気分の浮き沈みとか、変調はあるんですけれども、親御さんは、減るのが主な理由で、激周期っていうのをまず理解してもらって、「排卵の後に性格変わりませんか」とか、「普通だったら言ってはいけないようなことを言ってしまったり」「急に買い物をたくさんしたり」「今日は美容師になりたいって言ってたのが今度は医者になる」とか、そういう衝動的な行動が排卵後にないかどうかって確認してみて下さい。
ここまで、社会的にADHDは、どういう風に現れてくるか、説明されているかっていう話をしてきました。
ここから、神経解剖的な話をしていきます。
この「ADHD」について説明される際によく言われるのが、「前頭前野」の活動が低下するとよく言われます。
この点に関しては、部分的には正しいけれども、最近ではもっと別の解釈がされているということを言って置きたい。
前頭前野、前頭前野っていうのは脳の前の方、一番外にある部分なんですけれども、この脳の部分があるから人間を人間らしくさせているんだっていうふうによく言われます。前頭前野は主に何をしているかっていうと、将来、何かしたいなっていうことを前もって考えることが出来て、それに対して計画をさせて進んでいくことが出来る。そういった働きを司っている部分になります。なので、英語だとプレビュー・シネマっていうんですけれども、映画のプレビューみたいな、予告、将来、未来やることを、将来やりたいことを考えて、それを計画するという建前、表面材、英語ではクリエイティビング、前もって見るという意味で、そういう働きが前頭前野にはあります。
ADHDの方の前頭前野はどうなっているかというと、「右側の活動が低下している」んですけれども、普通の人よりも、左側が凄く興奮していて、「右側の低下を補うかのように左側が活動が高くなっている」。ですから前頭前野の働きが、全体的に下がっているというよりは、このように変化していると考えた方がいいと思います。
次のポイントが「皮質の成熟の遅延」です。このエビデンスは正しいです。最近の研究でも、前にもこのエビデンスとして正しいとされていたんですけれども、最近の研究でも正しいというふうになっています。
大脳皮質というのは、脳の一番最後に出来る部分で、複雑な思考をする時に使う部分。ADHDの患者さんの場合は、大脳皮質の成熟が2年から3年、遅れていると考えられています。だから2~3年の遅れがあるから、子供でよく視つけられると思うんですね。5歳の年齢なのに、構造が2~3歳だったら凄く違和感ありますよね。30歳の振る舞いと、27歳の振る舞いがそんなに違うということも無いですので、なかなか大人になると気付かれない。
次のお話が「神経伝達物質」、特にドーパミンについて。ADHDの方の行動っていうのは、もっとドーパミンが出るように、出るような行動を、もっとドーパミンが出るものを、探す行動をします。
先程、衝動的なって言いましたけれども、あっ鳥が見えたとか、大きなリスクをとって何か冒険してしまおうっていうのも、脳が興奮する活動ですよね。なので、どれも、ドーパミンを求めるような活動なんです。なんでそんな行動をするかと考えると、成人でも子供もですが、彼らの身体が、ドーパミンが少なくなったと認識するからです。
ドーパミンっていうのは、複数の場所で作られるんですけれども、その中に、障害が起きたらADHDと関連するんじゃないか、というところをお話していきます。
ADHDに関連する場所/事を、3つお話します。一人のADHD患者さんが、そのうちのどれか一つだけ、問題が起きています。
一つ目が「ドーパミンがどういう風に出来るのか」という部分。よくドーパミンは出来るんですけれども、本質的に少し違っていて、受容体にあまり結合しないドーパミンが出来る。その完成されたドーパミンの端子自体の問題で受容体に結合されにくいものになります。
二つ目が「受容体の問題」。
三つ目、これが一番多いんですけれども、ドーパミン自体は問題が無い。レセプター、受容体自体も問題が無い。でも「トランス・ポーター」というのがあって、これはお掃除係りになるものなんですね。この「トランス・ポーターの働きが素晴らしき過ぎる(過剰)」。なので、ドーパミンがたくさん出来ます。それが、受容体に届く前に掃除をしてしまって無くしてしまうので到達しない。繰り返しますけれども、お掃除係りの人が優秀過ぎると、綺麗にし過ぎてしまう。
アメリカではこういったADHDの患者さんに対して、薬が処方されます。
それは凄く効く人もいるし、ちょっとだけ効く人もいるし、まったく効かないっていう人もいるんです。薬によって。
それは、この3つの経路、「ドーパミンなのか」「受容体なのか」「トランス・ポーターなのか」っていうのも理解されていないからじゃないかと思われます。
次に書いてあるのが「過集中。集中し過ぎ。」という問題なんですけれども、これとても興味深いテーマです。ふつうはADHDの人って、注意散漫なんですよね。窓の外を見ていたり、テーブルからよろけたり、っていう人なんですけれども、何か興味があることになると、本当に、非常に、集中して、取り組みます。
これまで、有名な音楽家とか、学者とか、思想家もそうだと思うんですけれども、その中の一部の人はADHDだったんじゃないかなと思います。ふつうクラリネットの練習をしろって言われたら30分で飽きるじゃないですか。それを1日に4時間とか、何時間もやる人っていうのは、ADHDかも知れない。
「腹側の線条体」というのがあります。この過集中というのは、この線条体のところでドーパミンが放出されることによると思います。
過集中の説明として、この線条体の部分でドーパミンが放出される機会っていうのは主に2回あって、一つ目は、何かを貰えるという期待があるとき、普通の人間でも何かを貰えるって期待がある時に、この線条体のとこでドーパミンが放出されます。だから、普通の人はモチベーションが高まりますよね。何かを貰えるから頑張ろうっていう、モチベーションになります。
もう一つ、ドーパミンが放出されるのが、ご褒美を、報酬をもらえる時なんです。
でもこの2つの内、ADHDの人は最初の方(期待)がドーパミンは少ないんじゃないか、だから、あまりいろんな事にやる気が起きない。洗濯物をあそこまで持って行ってと言われても、そういうことはやってくれないんだけど、ご褒美を貰った時に、凄くたくさんドーパミンが出るから、クラリネットが好きだったら、それをどんどんトレーニングすることが出来るということで、どんどんドーパミンが出ているからじゃないのか、というふうに考えられます。
でも、そんなお子さんを皆さんがお持ちだったら、集中することは凄く集中してやるんだけれども、日常生活の必要な雑用とかはしてくれなくて困りますよね。脱いだらそのままだとか、遊んだあとのテーブルを片付けなさいとかは、やってくれない。そういう場合に、その子のやりたい家事、雑用はなんなのかっていうのを、やりたいことだったら喜んでやってくれるから、やってもらえるようにする。
例えばその子、洗濯物を運んだり畳んだりはダメかも知れないけども、靴を色別に並べるとかは、そういうのは凄く好きかも知れないじゃないですか。だから家族でその子がなんとかやれることを考えて、あなたがやれることはこれくらいあるかなって書いて、その中で何が好きですかみたいな感じで、好きなことをやってもらう。
ふつう親御さんはそういうのは嫌だと思うんですが、そんなことも有効かも知れません。
あと2つ、お話していきます。
1つは、ADHDの患者さんの「結合組織」は、そうでない人とは何か違っています。
そしてもう一つ「腸管間」。腸、お腹の話をします。
この「結合組織」と「腸管」の話は、この最近、脳と腸の関係っていうのが言われていますので、この2つの分野っていうのは、この10年で発達してきた、増えてきた話です。
腸と脳の関係については、最近研究が進んできて、その神経伝達物質ですね、ドーパミンとか、セロトニンが、放出されるって話があって、それがモチベーションに繋がるような物質、そういったものが分泌されるって話がされるようになってきました。
腸の話なんですけれども、ADHDの人達と、そうでない人達の、腸内細菌の数と種類について行われた研究があって、ADHDとそうでない人の間には大きな違いがあることが解りました。いろんな研究はあるんですけれども、それぞれがADHDの人とそうでない人の腸内細菌は違いますという結論は出ているんですけれども、ADHDの人だからこういう腸内細菌だっていう一貫性は今のところ無いんです。
消化器、腸管の中で代謝されたものが、脳でドーパミンを作る際に必要なもの。なので普通は、脳を最初に考えて、脳から腸、上から下に行くんだっていう風に考えがちなんですけれども、私は下から上に行くと考えも加味させています。
ADHDの患者の腸内細菌の数を増やして、増やしたらどうなるかの研究はまだ見たことがないんです。おそらく衝動性みたいな行動が軽減されるのではないかと思います。腸内細菌と言っても何十万、何十億レベルの数の話なんですが、そうでない方と比べてADHDの方の方が種類は少ないです。その中で何か一つでも吐出して多いとか、そういう可能性は高いかも知れません。
最後に「結合組織」の話をします。自閉症患者もそうなんですけれども、結合組織の組成が違うので、ADHD症の患者さんも可能性が高い。
ボディ・ワーカーとして難しいのは、治療は簡単なんですけれども、もともと身体が非生理学的なポジションに従うので、治療を、可動域も元々大きいので、治療をしてもそれを持続させるのが難しい。それに関して、どういうことが起きているかというと、1つは、「心拍の変動」がADHDの患者さんは小さい。心拍の変動は、心拍とは別で、5回から10回くらいするとちょっと遅くなって、また早くなるっていうような、サイクル、波のことなんです。なので心拍数とは違います。
ADHDの方は心拍の変動が少ないので、一日半、心拍数の変動が少なく一定です。それは結合組織と関連しています。文献には出てこないんですけれども、ADHD、自閉症の患者さんは、とにかく一時「不動性の眩暈」がするっていう人が多いんですけれども、それは結合組織が緩い事によって、まぁ一つは関節とかが動きやすい、ハイパーモビリティっていうのと、それによって血管が柔らかくなって変化が、変動が小さくなる。それと関連して、立った時に起立性の眩暈が起きるというふうに考えられます。
ここまでお話ししたような情報を頭に入れた上で治療を行っていきます。
治療では、「頭部(頭蓋骨、脳、流体)」や「腸、お腹」、そして「神経のバランス」を中心に行っていきます。この3つが、ADHD、自閉症の患者さんで変化(問題)が生じている部分だからです。
また必要性に応じて、「感覚統合」「原始反射統合」などの理学/作業療法を行ったりします。
ではここから「自閉症」のお話を致します。ADHDと同様に、自閉症も神経発達障害の一つです。
有病率なんですけれども、アメリカでは36人に1人が自閉症と言われていますので、約3%、人口の3%。日本は55人に1人ですので、2%弱。ADHDと同じように、遺伝子的な関連はあると思うんですけれども、まだどの遺伝子、ゲノムの中のどの部分が自閉症と関連が有るかっていうのは見つかっていません。男女の差で視ていくと、男性の方が4倍多いです。つい最近の研究では、男性と女性では、症状の現れ方が違うっていうことが解っていますので、そこの数値というのは男性で現れてきたものを処理しているのかも知れません。
ADHDでも男女で症状が違うって話しましたけれども、自閉症でも若い女性だったら、症状を発見まで隠してしまうんですね。若い女の子、女性は、周りを観察して自分は周りとは違うっていうことを認識した上で、周りの人の行動をコピーしようとするんですが、男性ではあまりそういうようなことは起こらない。
症状はだいたい生後18ヵ月位から始まるんですけれども、診断されるのは4歳位です。診断の元になるのは子供の行動で、反復的で、成人的な行動があります。
具体的には、例えば、いつも学校の帰り行く公園があったら、今日は別のとこにしましょうって言っても、ヤダと言って同じ公園に行きたいと言うような。またADHDの「過集中」と同じように、自閉症の人も「脅迫症」みたいな、凄くわがままなこだわりがある場合もあります。
ADHDと違う点をお話しますが、ADHDの人はコミュニケーション、他の人とコミュニケーションっていうのは問題は無いですし、時には素晴らしく上手なコミュニケーションをするんですけれども、自閉症の場合は、他の人とのコミュニケーションが難しい。まったく出来ない人も居るし、他の人が言ったことを繰り返す人も居るし、止まってしまうっていう人も居る、いろんな程度はあるんですけれども、他の人とのコミュニケーションが難しい。
オステオパシーとは違う話になってしまうんですけれども、まったく言葉でコミュニケーション出来ない自閉症の人を対象にした研究があって、まぁ話せないんだけれども、成長してタイピング、入力は出来るようになった人達の研究をして解ったのが、60%のこういった患者さんの方は「テレパシー」があるっておっしゃっていて。で、どういうことかというと、お母さんが考えていること、心を読むことが出来たし、その周りの人が考えていることが何か解ることが出来た。ハーバード大学の研究でしたので、その胡散臭い(うさんくさい)研究ではないんですけれども、お母さんを別の部屋に連れて行って、音とか聞こえない別の部屋で、お子さんを診てもらって、お母さんに本を、彼女が読んだことのない本を渡して、この部分を読んで下さい、見て下さいって云うんですね。そうしたら、別室に居る子供は、実際にお母さんが読んでいる部分を当てることが出来たり、または少なくともどんな内容を読んでいるのか、というのが解ることが出来たんです。
ですから、自閉症を説明する時にコミュニケーションに問題が有るみたいな言い方をしてしまっていますけれども、実は、彼らもコミュニケーションが出来ていて、それを我々が理解出来ていない、やり方、お互いのコミュケーションの仕方がまったく違うのかも知れません。
コミュケーションをどうとっていくのかという話にもなりますし、我々は勝手に、自分たちのレンズを通して決めているのかも知れないってことです。
ですから、拾ったものは、我々が見ている物よりもずっと、もっともっと複雑。自閉症の患者さん変化を嫌っていつも同じ以外に、さっき言ったように環境、光とか、触感とかに敏感です。同じ自閉症の子供で解ってきているのは、脳で解っているのは、高いレベルの情報が存在している。情報では無くて、脳の炎症と関係していると思っていて、それは腸内、先程ADHDでも云った、腸との関係が有るかなと思われます。
自閉症の患者さんの腸内細菌をバイオしてみると、いろんな種類が有るのが視られて、目立つのはありません。
その中の一つ、我々が食べたものを分解する訳ですけれども、その時に分解の副産物として出来るものが、「神経毒性」が有るんです。非常に興味深いんですけれども、人によっては食べたものが腸管で消化されて、それが神経に悪いものまで作っちゃって脳の炎症を起こしている。更に悪い事に、脳の炎症の改善を妨げているものが2つ見つかりました。その一つが「グルタチオン」で脳の抗酸化物質なんですけれども、それが自閉症の人では量が非常に少なくなっています。
もう一つ、自閉症の患者さんでは、「ショウブレイ細胞」の活動が非常に悪くなっています。この「ショウブレイ細胞」っていうのは、脳の中のヒーローみたいな働きをしていて、2つ役割があります。
一つは、血管のとこのマクロ・ファージみたいに、掃除をしてくれる、要らないものを掃除してくれる。
もう一つは、指揮者のように、音楽の指揮者のように、シナプスのところに行って、シナプスを作るために他のシナプスを繋げて成長させようとするのか、それとも成長を止めようとするのか、ということで神経を分解するのか、殺そうとするのかっていうのを決めている重要な2つの役割があります。
オステオパシー的には、研究がこのショウブレイ細胞についてはされているんですけれども、なかなか変化を視るのは難しいんですが、オステオパシーによってグリア細胞が増えると活発になると、グリア細胞が活発になると、血液にマーカーとして増えるものがあるので、血液を調べることによって、ショウブレイ細胞が活発か、どうかっていうのは解ります。直ぐに調べることが出来るので、オステオパシーをやった後どうなるか。オステオパシーをするとショウブレイ細胞の活動が活発になるというのが判りました。
ショウブレイ細胞に対して何か我々が働きかけることが出来るっていうような研究はいままで見たことがありませんでしたが、今回のセミナーで学んだテクニックを使えば、ショウブレイ細胞の変化を起こすことが出来ます。
神経可塑性、「ニューロ・プラスティー・シティ」という言葉が流行りましたが、新しいシナプスを作ることが出来るかっていう話になりますが、うつ病とか、PTSDとか、気持ちを切り替えるとか、または、早く新しい事が学習できるとか、そういうこと全てにシナプスがたくさん産生されればいい訳です。
そういうことで、オステオパシーによってシナプスを作る働きがあるショウブレイ細胞を活発に出来るということは、オステオパシーはすべての患者さんに対して善い事が出来る訳で、すべての人をより賢く出来る訳です。
自閉症に当て嵌めるとどうなるか。まず自閉症の方は、いつも同じことをやるタイプですよね。柔軟にいろんなことをしてくれない、いつも同じことばっかりやっている。それはシナプスが限られているからじゃないか、シナプスを複数作ることによって、もっと柔軟に、こだわりをもう少し和らげることが出来るのではないか、そのこだわりが強いいつもと同じでなきゃ嫌っていうことが親御さんにとっては大変なんです。だからその部分を、働きかけることで対応できるかも知れません。
このように遺伝によるものだと考えられていますが、それ以外に原因も考えられていて、その中に「出生時のトラウマ」「外傷」があります。さらに具体的には「逆子」「骨盤」の問題。それと、2つあって、妊娠中の「糖尿病」と「妊娠高血圧症候群」。
まとめると遺伝的な面はあるけれども、他に症状を出してしまうものが4つあります。
「ADHD」も「自閉症」も、脳がそこの2つの支配しています。自閉症とADHD、脳がどういうふうに影響を受けているのか、腸管はどうなのか、神経系はどうなのか、っていうのを考え治療します。
特に、神経的に見て典型的じゃない人。例えば、光とか、音とか、味とか、触感とか、に対して凄く敏感な人で、自閉症とかADHDの診断をまだ受けてないような人達、受けるレベルに無い人、受けて無い人に対しても治療出来ます。脳の働きが、正常じゃない方、正常とはちょっと違っているような方の治療も同様です。
またこれらのテクニック(治療)は、感情を調節できないような患者、子供を含めて、小児も、そして非常に多くの患者にも使うことが出来ます。
長いお時間、ご覧いただきありがとうございました。
今回をもって、「小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~」-小児オステオパシーの世界-は完結とさせていただきます。
事前予告で触れましたが、小児オステオパシーは大人に対する治療と共通・共有する治療です。よって、小児治療をお話することは「オステオパシー医学」をお伝えすることでもあります。
まだまだ、お話したいことは「山のように」ありますので、詳細ひとつひとつにフォーカスして、適時ご紹介してまいります。
今後とも、オステオパシー治療院 未在を宜しくお願い申し上げます。



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