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小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~ ⑷

前ブログ「小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~ ⑶」では、「出生時のトラウマ」のオステオパシー的 治療を深堀りして書かせていただきますと予告しておりましたが、治療の深堀り的な紹介より、「出生から発達・成長していく健康」の過程の中で発生しうる「出生時のトラウマ」について、オステオパシーがお子さんを「どのように診て」「治療を行うのか」をご紹介することの方が意義が大きいと考え治しました。



今回のテーマは、「小児オステオパシー」です。


「オステオパシー」と聞いても、初めて聞く方が大半で、解らないと言う方がほとんどだと思います。

実際、現代(西洋)医学の中で働くものでも、解らない方が大半にある状況です。私自身、そうでした。

ですから、「オステオパシーとは」を知りたいと思う方は、私(未在)のホームページ(http://www.mizai.org

)に基本的なところを御紹介していますので、ご覧いただければ幸いです。



簡単にまとめれば。

オステオパシーという「哲学(概念)」に基づいた手技(技術)があり、人の身体の構造物(組織、器官)の状態や構造物の位置が健康な状態にあるかを診て、不健康なところを手技にて調整し、人が持つ「自然治癒力(細胞レベルの修復力)」のお手伝いをし、健全、健康な状態に戻していく。

西欧の5大自然療法の1つです。



では「小児オステオパシー」について御紹介していきます。

まず、小児患者特有の側面を理解する必要があります。ですから私たちは、小児特有の解剖学を学びます。例えば、心臓の仕組みも大人とは違うところが有りますし、頭蓋骨も骨化過程の途中であり、脳も神経も発達過程にあります。また、発生学という学問による、組織や器官の成長・発達プロセスを学ぶことにより、正常に成長・発達していく支援的治療や障害的治療、そして未病の治療を通じて、健康な成長を支援していくことが出来ます。



既に1番目のお子さんを授かっていらっしゃる御両親はお解りかと思いますが、出生後よくある乳幼児、小児の病や問題が有ります。

その病や問題に対して・・。


オステオパシーでは「小さなことが、大きなことに重要」だと学びます。

足部(foot)の解剖学は重要で、特に、オステオパシーの基盤として足部を身体が成長していく際の基盤として診ていきます。また、オステオパシー的なアプローチに対しては発生学的な基盤があります。

オステオパシーの創始者 アンドリュー・テイラー・スティル博士(医師/オステオパシー医師)は「小枝が曲がるように、木も傾く」と教えていました。この中には2つの重要なことが書かれていて、一つ目は、患者というのは治癒力が元々備わっている。2つ目は、オステオパシー治療する側として重要なことですが、損傷が起きたら、それがどのように、その人の成長に影響していくか。

ひとつ例を御紹介しますと、「80台の女性が「腕が痛い」と言って来院され、痛みは酷くなかったんですけれども、腕をベッドで自分の上に乗せていないといけないくらいでした。一年くらい前に骨折をしていて、上腕骨が完全に骨折していて、治癒したとおっしゃってたんですけれども、癒合はしなかった。」

何を言いたいかといいますと、身体自身には治癒力があるんだけれども、骨のアライメントや血液の流れをよくしてあげないと、望んだようには治癒していかない。という例です。

小児も同じで、おっぱいをどういう風に、お母さんのミルクをどういう風に呑むかとか、吞み始めたときにどういう状態なのか、つまり初期の段階で何かテンションがかかっていたり、問題があったりすると、それがその後の成長に影響を及ぼしてしまいます。


オステオパシー自体は「哲学」です。スティル先生は、ほとんどテクニックとしては残されていませんし、伝えていません。で、その哲学、考え方の一つには、「血流」が如何に治癒に関与しているかということを学びます。

それ以外に患者さんを診る際に必要な知識としては「解剖学」なんです。

A.T.still博士は、患者を治療する場合に、どうすればいいかを考える場合には解剖学をしっかり理解しなさい。その解剖がおかしくなっていたら、それを戻すために何をするか、戻すために、戻すというゴール、それがあれば後はおのずとして、何をすべきかを考えるだけと。

A.T.still博士はオステオパス(施術者)に対しては、自分で考えるように、考えなさい、ということを伝えてきました。テクニックは必要です。しかし重要なのは、そのテクニックの周りにあること、外側にあることで、同じテクニックであっても、別の問題に使えるかも知れないし、同じ問題に対し別のやり方で治療が出来るかも知れない。要は、オステオパスの思考能力が求められます。



そして、より大きな病や問題を抱えてしまう「出生時のトラウマ」があります。


外傷・トラウマという言葉は「限定的な意味」で使われます。出産時に「どれくらい赤ちゃんに力がかかるか」という意味で外傷・トラウマという言葉を使います。

この「赤ちゃんにかかる力」、いわゆる「度合い・強さ」によって病や問題の深刻さに現れてきます。

病や問題が観られず成長されているお子さんでも、少なからずの「かかる力」は受けて産まれており、理想的には乳幼児期、小児期に治療を受けることが望ましいようです。

オステオパシー発祥の国、アメリカでは出産直後にオステオパシー医師がその場で治療を行っているそうです。


「正常な分娩だったらどうなのか」、また「問題がある場合はどうなのか」、「問題が起きた場合に治療はどうするのか」を理解し診ていきます。


「出生時のトラウマ」では、逆子や帝王切開、赤ちゃんの回旋パターン4種など、その分娩の仕方で外傷も異なってきます。正常分娩と云われる回旋パターンの内、「LAO(左回旋で後頭骨腹側方向)」と云われるものが最も多いパターンにあります。この時に起きるのが、「赤ちゃんの後頭骨にお母さんの恥骨が力をかけてしまう」ということです。赤ちゃんの後頭骨は産道を通過するために、4つの骨をしぼめる様に小さくし通過するのですが、そこに強い力がかかると出産後の後頭骨の骨化(骨としての成長)や後頭骨と関連する頭蓋骨(側頭骨、前頭骨)、頭の他の骨(蝶形骨)、顔面骨(篩骨、るい骨)、椎骨(背骨)、脳、脳神経に問題が及び、病の原因となっていきます。


この「後頭骨の下部のところが産まれてくるときに一番圧縮されやすいところ」です。で「圧縮」されて、「圧迫」されてしまう神経が4つあります。

1つに「迷走神経」。赤ちゃんが生まれた後に、ミルクを、おっぱいを呑む、その食事に問題が生じてしまう。また消化の問題。吐いてしまうとか、そういう症状が無くても、なんとなく神経が過敏になった状態の赤ちゃんであったり。そうすると体重があまり増えないとか、よく寝てくれないというのが、問題になったりします。このことは短期的な問題ですが、オステオパシーでは、もっと長期的な問題として考えます。よく食べない、あまり眠れない、体重が増えないような赤ちゃんが青年期まで育ったと考えたとき、その方は、そういった青年になった赤ちゃんは自分が他の子どもよりも弱く感じちゃうかも知れませんし、他の青年、同じ年齢の人よりも善くない劣等感というものを感じてしまうかも知れない。更に大きくなると、その人が職業を選択する、何の仕事に就きたいかというのも変わってくるかも知れない。こういうことに関して如何にオステオパシーのテクニックが貢献できるかどうか、影響を与えるか、が解ると思います。


この他、頭部が産道を通過した後に発生しうるのに「肩の問題」があります。

頭が出てきた次の段階、肩が出て来ます。「健康難産」、「肩の難産」という問題があり、それが起こるのがこの段階です。肩が、お母さんの恥骨結合または仙骨に当り、引っ張られることにより、腕神経叢損傷を引き起こし、上肢麻痺が発生したりします。



成長過程に順じて、幾つか書かせていただきますと。


例えば、2歳児を治療する場合、セラピストはそのお子さんとダンスをするように治療します。ベッドに寝ている2歳児はじっとしていませんので、あらゆる方向に動きます。それを無くすために止めようとするのではなくて、一緒に子どもの動きについていくという意味でダンスと言いました。子どもをジッとさせるよりも、子どもと一緒に動く方が治療しやすいのです。程度はあります。


会話ができるような子どもになりますと、会話が出来るようになったとしても、痛みがあった時に何処が痛いかを、ハッキリと説明できることはあまり無いです。それは神経系が成人とは違っているので、拮抗する部分というか、感覚部分があって、小児は抑制する方があまり成人ほど無いからです。だから原始反射が残っていますし、子どもはどこが痛いかっていうのを原則、言えないんです。お腹が痛い、お腹の辺りが痛いとしても、お腹全体を指している。そういう場合には、私の触診のスキルを使って、問題を解決していきます。


お子さんは成長していきますよね。ハイハイ出来るようになるとか、歩けるようになるとか、幼稚園に行き始めるとか、そういう成長の発達の段階、何かが始まった、始まるというときに、お子さんを連れてきていただきたいとお願いしています。

治療の頻度を、何か成長で、成長していく過程で何か起きるとき。スポーツだったら、スポーツは季節ごとにありますし、野球をしている子だったら野球のシーズンが始まる前にとか。そうすれば、お子さんの状態を最適にできるから。

あともう一つ、それ以外で子供の成長、スポーツが始まったら連れてきてください。成長スパートの時は、周りの硬膜の膜よりも早く成長してしまいますので、そうすると膜の方にテンションがかかってしまうからです。そういう成長スパートの時期には、膜にフォーカスした頭蓋を治療することによって、骨の成長に合わせて膜も伸びていけるようになります。これは成長途中のお子さんにとっては、とても役に立ちます。


「ウォルフの法則」というものがあります。

何故ある骨がそういう形をしているのか、に関するものです。形というのは、その機能と関係しているというオステオパシーの原理と関わってくることです。機械的な力というのは「組織の分化」に影響します。

これは人が歩行するときに、大腿骨頭にどのように力がかかるかのベクトルに影響します。膝の方から力が入ってきて、ひとつのとこに終焉していきます。正常な形で、力が骨に入ってくれば、骨は正常に成長していきます。


お子さんが歩き始めたら、左右対称になっているか確認してください。対称でなければ、こういう力もベクトルに影響が出てしまいます。でも歩行が完成するのは6歳から8歳くらいですので、6歳未満の場合ではそれほど慎重にする必要はありませんけれども、近々に左右非対称が起きることはあります。

子どものときに正常なベクトルになっていないと、成長して最初に中をヨチヨチし始めたときに前十字靭帯が断裂のようなことが起きてしまうかも知れません。

「小さいことが重要だ」というのはこういうことで、子どものときに左右の小さな非対称かも知れないけれども、それがのちになって大きなこととして出てくるかも知れません。



ご覧いただきありがとうございました。


次回は、「小児の成長~私たちの手で未来の世代を助ける~」最終章として、「ニューロ・ダイバージェンシー」について、そして、子どもから大人までの神経発達問題である「自閉症」や「ADHD」について書いてみたいと思います。














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