「脳の神経核と熱中症」 ~先人に学ぶ シリーズ 7~
- 未在代表 松舘 敏
- 2023年6月8日
- 読了時間: 4分
オステオパシー(医学)の「病因」の基礎的考え方に「構造(解剖)は機能(生理)を支配する」といった哲学がある。
オステオパシー治療は、この構造の病変(オステオパシー病変)を施術で健全化することにより、機能(生理)を正常化し、病の治癒や症状の寛解を促していく。
その為、人体構造(解剖学)そして身体機能(生理学)の詳細な知識が求められる。そして更に、その構造体を触診できる技術とともに、構造体の「正常な位置」「正常な硬さ」「正常な動き」を診る治療者の「感性」が求められる。
そして感性に加え、「病」が発症するにあたっての「構造体の偏移・変化のプロセス」の知識を背景に置き、身体の構造を診ていくことが必要となる。
以下に、先人の先生方から学び得た「知識」を記録に残します。
脳の神経核と熱中症について
今回のコラムを執筆しているのは2月だが、会報誌として配布されるのは6月である。そのことも考えて今回のテーマは「脳の神経核と熱中症」というタイトルにした。
では、⑴「熱中症がマニュピレーションで治せるのか?」、⑵「その部位をマニュピレーション出来るのか?」、⑶「原因はどこにあるのか?」、⑷「なぜそこを治療すれば熱が下がるのか?」、という4つの疑問について、限られた文字数ではあるが、要点だけを説明する。
熱中症になるような方の場合、前額部と手足の温度を手で触れてみるとよい。手足の温度が低く、前額部の温度が高くなっている。それを逆転させるか、同等の温度になるように治療してやれば良いのだ。
⑴「熱中症がマニピュレーションで治せるのか?」については、高い確率でうまくいく。なぜ100%と書かないか…というと、治療の結果に対して、世の中には「絶対」はないと思っているからである。
では、⑶の答えともなる「その原因はどこにあるのか」というと、主たる問題は仙骨・三尖弁・二尖弁・肋骨・左右の乳頭体と考えている。その中でも、最終的に左右の乳頭体が決定的なダメージ(影響)を受けて正常な位置から近接することで、視床下部における自律神経の制御が出来なくなり、交感神経の興奮状態が続いた状態に置かれることによって起こっていると私は確信している。

では、なぜそのような状態になるのか…だが、私はPM2.5~0.1の問題と電磁波による環境問題と捉えている。そのメカニズムなどについての推論はここでは書かないが、最低限度、気温が42℃などになったからではないと思っている。正常に機能が働いていれば、42℃ぐらいで(確かにめちゃくちゃ熱いが)熱中症にはならないと思っているし、部屋の中にいて熱中症になることはないと私は思う。実際、熱中症と診断されて来院された方を診て、私はその場でこれまでは回復させてきている。原因を気温などに求めてしまえば、臨床家は楽にはなるが、それ以上の技術の進歩はないと私は考える。
⑷の疑問については、「最終的に左右の乳頭体が正常な位置で収まるようにしてやれば、視床下部は本来の役割を果たしてくれる」のである。また右の乳頭体はホルモン系に働きかけ、左の乳頭体はリンパ系に働きかけると私は考えている。これは、私のこれまでの臨床経験を通じて確信していることだ。また、大人になると胸腺はほとんどみとめられにくくなってはいるが、交感神経には、強い影響をだしているように感じている。
では、⑵「乳頭体をマニピュレーション出来るのか?」であるが、結論は出来る!
世界的に有名なフランスのジャン・ピエール・バラルD.Oが来日した時に、本人の目の前で乳頭体を治療し、モデルの不整脈をその場で消失させている。また、患者さん自身、頭の中で何かが動くのを感じるはずである(感じられる人が多い)。
但し、乳頭体を正常な位置に戻すのは技術力が必要な上に肋骨・心臓弁・仙骨の知識、診断力、技術力も必要である。それを持ち得ている臨床家であれば、ここに書いてある文章を読むだけで、すぐに治療できるだろう。
私は急速に日本人の体のメカニズムが壊されていってしまっていることに対して、恐怖を感じている。
この文書が日本の多くの臨床家の目に留まり、学んでくれることを心より願っている。
JOPA会報誌 「JOPATOMIA 会長コラム」を抜粋掲載させていただく。
2023年06月08日(木)
未在代表 松舘 敏






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